不迷失的羊 仕事の合間、息抜きに。 忍者ブログ
徒然なるままに、妄想。
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「お、襲われたっっ?!」
「そんな大げさなもんじゃないって。相手はすぐ逃げたし」
石田の引き攣った悲鳴に気圧されながら、一護は首筋に薄っすらと残る赤い線に手をやった。
「後ろから羽交い絞めにされて、ナイフを喉元に突きつけられて、それのどこが襲われてないっていうんだっ!」
平然とした一護とは対照的に、石田は興奮気味に声を荒げていく。目を吊り上げ一護を睨み据えるその顔はまるで般若のようだ。
「大体君は、どうしてそんな時間に外をふらついているんだ!馬鹿じゃないのか!?貞操観念が低すぎる!世界中の変態に襲ってくれと言っているも同然だっ!!」
「な、なんでそこまで言われなきゃいけねえんだよ」
「君は友人の気遣いに素直に感謝することも出来ないのか!」
眉を不愉快そうに顰め不満げな表情を覗かせる一護に、石田はくわっと目を見開き更に声を険しくした。
「いいじゃん、別に。なにもなかったんだからさ。ま、一護相手に何か出来る馬鹿がいるとも思わないけど」
すると二人の様子を黙ってみていたたつきが呆れたように口を挟む。
「なにかあってからじゃ遅いだろ!なんで君たちはそう暢気なんだ!」
「つーか男の俺相手になにがあるっていうんだよ」
なぁ?とたつきに同意を求める一護に、幼馴染の少女は「ねぇ?」と首を傾げた。
「君達は揃いも揃って大馬鹿だよ!!」
そこへ石田の怒号が容赦なく落とされる。その大魔人の如き迫力を前に、喧嘩無敗の成績優秀男子高生も日本で2番目に強い女子高生も咄嗟に反論を口にすることが出来なかった。
「黒崎だから危ないんじゃないか!男はその生意気で挑発めいた眼差しで見詰められると欲情するんだよ!力づくで屈服させたくなるんだよ!!」
「・・・お前、マジで頭大丈夫か?勉強し過ぎで脳みそ溶けてんじゃねえか?」
自身満々に言い切る石田を、まるで宇宙人でも見るかのような目付きで一護が凝視する。
「なに、石田。あんた一護に見詰められたら欲情すんの?」
なんとも言い難い複雑な表情でたつきが級友を見遣れば、尋ねられた石田は何を今更とでも言いたげに、フンと鼻を鳴らし腕を組みながら何故か偉そうに胸を反らせた。
「黒崎に見詰められて欲情しない男がいると思うのかい?有沢さん、君はもう少し世間を学んだ方がいいよ」
「・・・為になる忠告ありがとう」
もはや何も突っ込む気になれず、たつきは乾いた笑みを浮かべて一護の肩をぽんと叩いた。
「頑張れ、青少年」
「なにを頑張るんだよ」
たつきの励ましに、心底嫌そうに一護が返す。
「とりあえず警察だ!!そんな不埒な輩をこのまま野放しにしておくわけにはいかない!こともあろうに黒崎を夜道で襲うなんて、国家犯罪級の大罪だよ!許すまじ!!」
石田が拳を握り締めながら高らかに宣言する。その反対の手にはしっかりと一護の腕が握られている。振り払おうにも、その凄まじい迫力に完全に押さえ込まれ、一護はただ呆然とバックに炎を背負っている石田を眺めるのみだ。
「捕まえてアンコウの吊るし上げみたいにしてやるっっ!!」
「・・・逆に捕まらないようにしなさいよ」
哀れみにも似た眼差しを石田に向けながら、たつきは日本海溝より深い溜息を吐いた。

 

警察署編に続・・・けばいいな。

 

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槇原氏とカープを日々崇め奉る腐女子。ユノに並ならぬ愛を注ぐ。細々と妄想を吐き出しながら自堕落に生きる駄目社会人。
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