不迷失的羊 妄想文 忍者ブログ
徒然なるままに、妄想。
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なんか猛烈に疲れてます・・・。昨日なんて家帰って化粧も落とさず飯も食わず、夜7時過ぎから深夜1時過ぎまで爆睡でした(汗) そんで顔洗って二度寝。気が付いたら朝7時でした・・・(遠い目) なにやってんだ。時間を無駄にするにもほどがあるよっ!HWとか連載とかオフ用の話とかやることは山とあるんだよっ!
なのに来週は月・火と続けて拘束12時間11時間勤務・・・(遠い目) なに?いったいなんの嫌がらせ?私に萌えを吐き出させまいとする誰かの陰謀ですか。

にしても腹減ったな・・・・・・。昼休憩はまだか・・・(イン会社)
昼飯食べて元気になったらHW打ちたいなぁ。(だから会社だから)

てわけでイン会社より続HW恋物語の続き↓


「なんだね、君は」
赤くなった自らの手の甲を数秒眺めた後、藍染は眼鏡の奥の目を酷薄そうに眇め忌々しげに卯ノ花を見遣った。
「職業安定課・課長補佐、卯ノ花と申します」
藍染の底冷えさせるような鋭い視線を真正面から浴びせられても、にこやかな面立ちを微塵も崩すことなく卯ノ花が答える。
「君の名前などに興味はないよ。客である私になにをしているのかと訊いているんだ」
「私からもお尋ねしますわ、お客様。此処をどこかのキャバクラと勘違いなさってるんではなくて?私どもの職員に不埒な真似はしないで頂けます?セクハラで訴えますよ」
険悪なオーラを発する藍染にやはり卯ノ花は笑みを浮かべたまま流暢に尚且つ嫌味っぽく言い返す。
「セクハラ?腕に触れただけでかい?冗談も大概にしたまえ」
「セクハラであるかどうかの判断は受けた側の主観で決まるのです。貴方に触れられた時の黒崎さんの心底嫌がっている顔を見れば一目瞭然ではないですか」
そんなことも判らないのかと言わんばかりの卯ノ花の台詞に藍染の表情が一層険しさを増す。
「・・・卯ノ花さん」
なんだか危険な空気を感じた一護がそっと卯ノ花に声をかけると、「心配いりませんわ」といつものように慈愛に満ちた穏やかな笑みを向けられる。
「黒崎さんはご自分の仕事に戻ってくださいな。定時どおりに仕事を終えなくてはならないのですから、このような方の相手をしている暇なんてないでしょう?」
まったくもってその通りな台詞に一護は逡巡する素振りをみせる。定時に仕事を終わらせるよりも、グリムジョーが来る前にこの男たちを追い返す方の事が重要事項に思えたからだ。さすがにそれをいくら拳法の達人とはいえ女性である卯ノ花に任せるのはどうかと眉間の皺を深くしたところに、卯ノ花の柔らかな手の平が優しく一護の肩に置かれた。
「ご心配なく。命まで奪いはしませんから」
「いやいやいや。そうじゃなくて」
にっこり笑って怖いことをなんでもないように言う卯ノ花に顔の前でぶんぶんと手を振りながら一護が突っ込みをいれる。
「あの藍染て人、多分アイツが前いた会社の社長なんすよ」
耳打ちするように一護が卯ノ花に言えば、「あら」と軽やかな声が上がる。
「聞いた話でも実際会った感じでも相当曲者っぽいから・・・」
「そんな曲者の下で働いていて、彼の心根まで歪まなくてよかったですわね」
心もち心配げに顔を曇らせる一護に卯ノ花がさらりと言えば、一護の頬に僅かに赤みが刺す。
「・・・そうっすね」
照れ隠しが明らかな無愛想な表情をして蚊の鳴くような小さな声でぼそりと一言一護が言えば、ますます卯ノ花の笑みは優しくなった。
「・・・客の前で内緒話とは頂けないな」
そこへ機嫌悪げな藍染の声が割り込んでくる。
「なにか気に入らないことがおありでしたら、さっさとお帰りになられたらいかがです?」
「『なにか』ではなく、君のその態度が不快なんだよ」
「奇遇ですわね。私も貴方の存在そのものが不快でたまりませんわ」
「早く私の前から消えてくれないか」
「残念ですが致しかねます。ここが私の職場ですので。消えるなら貴方のほうが妥当かと」
「用がまだ済んでいないんだがね」
「貴方の用というのは黒崎さんにセクハラすることですか?」
声を荒げることなく貶し合う2人の周囲の空気が一層刺々しさを増していく。
「ほぅ・・・」
こめかみをぴくりと震わせた藍染がふいに片頬を歪めて見下すような嘲笑を口元に刻む。
「セクハラとはこういうことかな?」
言ったと同時に藍染の腕は一護の腰に伸びていた。
「うわっっ!!」
「ぎゃあっっ!」
突然真正面から藍染に抱き込まれる形となった一護が声をあげた1秒後に、入り口付近でも悲鳴にも似た声があがった。
「な、ななな、なんでてめえらがここにっっ!!?」
「あら。今日は早かったのですね」
ジャガージャックさん。
誰もが息を呑み緊迫の様相を呈した場の中、平生と変わらぬ卯ノ花の穏やかな声が入り口で驚愕に顔を引き攣らせたまま固まっている男の名を呼んだ。

・・・感動ではない再会・・・

 

メルフォレス(反転お願いいたします!)

28日23:48の「こんばんは。~」の方。
こんばんわ!!こちらこそ、キングダム読んで頂いてありがとうございますv 恋次は原作でも漢気溢れるいい奴なのでそう感じて頂けたら嬉しいですv 逆に浦原の方は100%私の願望のみが先走ったキャラ設定となってますが(苦笑) 兎に角2人とも一護の為に突っ走っていく予定なので、どうか生温かい目で見守って頂ければ幸いでございます。そして私なんぞの身体まで気遣って頂いてありがとうございます~っ!(涙)優しいお言葉が胸に染み渡り、ますます妄想に励んでいこうと思いました(笑)

29日あつきサマv
あの愚痴なのか妄想なのかなんなのかよく判らない鰤感想まで読んで頂いてありがとうございます!いやはやお恥ずかしい・・(汗) もう私の脳内ではグリは一護以外はアウトオブ眼中なので、あのようなことになりました。グリの腕は一護を抱き締める為だけにあると本気で考えてますから(←病院いけ) きっと今頃グリは一護に逢いたくて逢いたくてそわそわしっぱなしです。きっと来週号では我慢できずに城から出てますね。間違いない。ほんとカワイイやつだっ!そしてその様子をウルが心底馬鹿を見るような目つきで見てればいいと思います。・・・・・・ほんと妄想ばかりですみません(汗)可哀相な奴と笑ってやって下さい・・・。

 

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これで続きをこっちに書けそうだ。

続HW恋物語5

「・・・・・・」
男の台詞に一護は愛想の欠片もない憮然とした面持ちになる。なぜだかわからないがこの腹黒そうな男の言葉ひとつひとつ表情ひとつひとつが一護をやけに不快にさせる。
「お客さ・・・」
「藍染だよ」
冷め切った表情の一護が苦々しげに口を開けば、藍染と名乗った男は遠慮なく台詞を遮りにっこりとうそ臭い微笑を浮かべた。そのどこかで聞き覚えのある名前に一護は思わず眉を顰めた。
「あいぜん・・・」
知らず呟きを洩らす一護を藍染が長身を屈めながら嬉しそうに覗き込む。
「呼んでもらうなら下の名前の方がいいな」
「は?」
「惣右介だよ。そう呼んでくれ給え」
「・・・・・・、この人どこか悪いんですか?」
どこか芝居がかった藍染の台詞に、一護はこれは話が出来ない奴だと早々に見切りをつけ、藍染の隣でぼけっとしている狐面の男に胡乱げな視線を送った。
「性格はやや難ありやけど、他はいたって優秀なお人やで?」
一護の問いに、狐面の男はにたりとした感じの悪い笑みを顔にくっ付けて一護を見遣った。その笑みは眼鏡の男の笑みを同様、一護を不快にした。理由は説明できないからおそらく生理的に合わないのだろうと一護は深く皺の刻まれた眉間の下で考えた。
「その優秀な私でも恋という圧倒的な情熱の前ではただの無力なひとりの人間に過ぎないよ。君はどうだい?黒崎君」
「とりあえず用件を確認できないので本日はお引取り下さい。そこの顔色の悪い貴方も、今度来る時は離職票と身分証と通帳と印鑑を持ってきてください。でないと、なんの手続きも出来ませんから」
さらりと藍染の台詞を無視した一護はぞんざいな口調で言い捨てると、そのまま踵を返そうとする。が、踏み出した足はそれ以上前に進まない。
「・・・・・・離していただけますか?」
「何故?」
いつの間にか藍染の手がしっかりと一護の腕を掴んでいたのである。一護の眉間にぴきと青筋が立つ。
「藍染さん」
「惣右介だよ」
「藍染さん。手を離してください。私は忙しいんですよ」
微かに片頬を引き攣らせながら一護が目を眇めながら藍染を見据える。ちらりと時計を見ればもうすぐ終業時刻。こんなところでワケの分からない怪しさ大爆発の男の相手をしている暇はない。グリムジョーが迎えに来るまでに一護にはやらなければならない仕事が山ほどあるのだ。
(・・・ん?)
ふと何かが頭の片隅に引っ掛かって、一護は振り向き藍染のどう見ても似非っぽい微笑をじっと凝視した。
「藍染さん、貴方社長ですか?」
「そうだが?」
「ちなみに僕は副社長やでv」
「それは先程伺いました」
うきうきと口を挟んできた狐面の男の台詞を一護はばっさりと斬り捨てる。
「・・・もしかして、会社は藍染創業ですか?」
「私の会社を知っているのかい?光栄だな」
慎重に問う一護に藍染はくすりと無駄に艶めいた笑みを浮かべた。藍染の返答を聞いた一護は険しい顔で口を噤む。
(全部が嘘っぽい腹黒そうな社長。何考えてるか判らない狐面の副社長。無表情の顔色の悪い寡黙なのに毒舌な同僚・・・。間違いねえ・・・)
3人を見渡しながら一護は内心で大仰な溜め息をついた。いつだったかグリムジョーに聞いたまんまだ。一護の顔が今にも舌打ちしそうに、苦々しげに歪められる。もう一秒でも早くここから消え去って欲しいが、このしつこそうな男どもをどうやって追い返したらいいだろうかと、藍染にしっかりと掴まれたままの自分の腕に目を遣った一護の前にすっと黒い影が過ぎった。次の瞬間ぴしゃりと乾いた音が一護の耳に届く。
「誰の許可を得て黒崎さんの腕に触ってらっしゃいますの?」
穏やかな中に底知れぬ畏怖を感じさせる声。
藍染の手を一護の腕から叩き落とした姿勢のまま、卯ノ花がにっこりと微笑んでいた。


・・・卯ノ花最強伝説。


続HW恋物語4

「受付、人混み合ってきてるけど・・・」
黒崎君と呼ばれた、まだあどけなさの残る青年は少し眉を寄せ女性職員に話しかけながらちらりと藍染らを見遣る。
「・・・ごめんなさい。でもこの人達・・・」
青年に申し訳なさそうに謝罪しながらも、女性は相変わらず険しい目付きで藍染らを睨み据えた。
「またか・・・」
「多分・・・、いえ、100%間違いないわ」
呆れた表情を浮かべ溜め息混じりに短く言葉を吐き出す青年に女性は力強く言い切る。
「・・・ならここは俺が対応するから。七緒さんは受付に戻ってくれるか?」
「でも・・・」
「大丈夫だから。ほら、虎徹さんが受付ひとりでテンパッてるから」
青年の視線を辿れば、背の高い気弱げな女性職員が非常に頼り気ない目をして必死に眼鏡の女性職員に『早く戻ってきてください!』と訴えていた。それを見た女性職員が小さく溜め気を吐き出して青年を心配そうに見詰める。
「・・・私は戻るけど、なんかあったら卯ノ花さんに・・・」
「大丈夫だって。ほんと皆心配性だな」
苦笑に近い微笑を青年が浮かべる。笑むと、ぶきらぼうで無愛想な青年の面立ちが柔らかくなり、その微笑にはどこか見るものをはっと惹き付けるなにかがあって、藍染は僅かに目を瞠った。青年が大丈夫だと言っても表情を曇らせたままだった女性職員は、もう一度青年に促されると、藍染らに不審いっぱいの険悪な視線を向けながらも渋々と自分の持ち場へと戻っていった。
「えっと・・・、本日はどのような用件で?」
女性が受付に戻ったのを確認した青年が、僅かに眉を顰めた顔付きで藍染へと問いかけてくる。
「ハローワークに茶ぁ飲みに来るはずないやろ。お仕事探しに来たったんや」
「3人ともですか?」
「ボクはちゃあんと働いとるわ。これでも副社長やで?お仕事探してんのは、こっちの顔色悪いウルキオラや」
「・・・俺は無職だ」
怪訝に訊いてくる青年に、市丸とウルキオラが平然と嘘を並べる。
「なら離職票お持ちですよね?お出しいただけますか?あと身分証なんですが、そちらに記載されてある住所は現住所と同じでしょうか。それと本日本人様名義の預金通帳と印鑑はお持ちいただいてますか?」
「「・・・・・・・・・」」
すらすらと立石に水の如く質問を浴びせかけてくる青年に、そんなに必要なものがあるとは思いもよらなかった市丸とウルキオラは沈黙を余儀なくされる。元よりある筈のない離職票はともかく、其の他のものに至ってもなにひとつ持ち合わせていないのでは、どこからどう見たって怪しいだろう。決まり悪げに互いの顔を見合わせる2人の横では、僅かに目を眇めながら藍染がしげしげと青年のネームプレートを凝視していた。
(『職業安定課・黒崎』か・・・。グリムジョーの相手が確かK・Iだから、彼も当てはまるな。彼は窓口人員か?その前に噂の20番窓口の担当職員は固定制だろうか、それともローテーション制だろうか・・・)
脳内であれやこれと思考を巡らしながら藍染はネームプレートを見詰めている。男が自分のネームプレートをまじまじと見詰めているのに気付いた青年がはっきりと不快そうに眉を顰めた。
「私のな・・・」
「黒崎君」
低い声で言う青年の台詞を、端整な顔に似非っぽい笑みを浮かべた男の穏やかな声が無遠慮に遮る。男の腹でなにか企んでそうな雰囲気や無駄に艶のある声音や意味深などことなく妖しい眼差しがなんだか妙に癪に障り、一護はますます眉間の皺を深くした。
「・・・なんでしょうか」
「君の下の名前を教えてもらえるだろうか」
「必要性を感じませんが」
温厚に言葉を重ねてくる男に一護は素っ気無い口調でぴしゃりと拒絶の意を示した。その事務的なものを越えた素気無い態度に市丸とウルキオラが感心したように一護を見遣った。
「なかなかガードが固いようだ」
「・・・用件を教えていただけますか?私も暇ではないので」
男が苦笑交じりに言うのを無視して冷たく一護が言い放つ。
とあるマニアックな雑誌に何故か一護とグリムジョーの記事が載り、目撃者の多かったその一連の出来事は巷で密かに本人達の与り知らぬところで盛り上がり、一護とグリムジョーは俄かに時の人となっていた。この情報化社会にあって、本名や顔写真がまだ世間に流れ出ていないのは幸いだが(卯ノ花が阻止しているという噂もあるが一護は何故か怖くていまだ確かめられずにいる)、好奇心旺盛な暇人どもが話のネタにと職場に覗きにやって来ることが増え、仕事の弊害になる彼らに職員達は大いに迷惑しているのだ。そんな迷惑な輩は、いつもは七緒が総合受付で悉く見抜き容赦ない辛辣な言葉とキツイ眼差しで追い返すのだが、このたびの来訪者はなかなかツワモノらしい。
「その態度はどうだろう。君達の給料は私達が納めている税金から支払われていると思ったが、私の勘違いかな?」
薄っぺらで酷薄そうな笑みを口許に刻みながらの藍染の台詞に、「いっつも税金ちょろまかしとる人が言うセリフやないな」と市丸がぼそりとツッコミを入れる。
「嫌味は結構です。ここは求職者が真面目に仕事を探す場なので、関係のない方は早々にお引取り願いたいのですが」
醒めきった口調と表情でぴしゃりと言い放つ一護に、「藍染社長に、こないな物言いする子がおるやなんて・・・」と市丸は素直に驚き目を瞠る。ウルキオラも無表情ながらも興味深げな眼差しで一護を見ている。
数秒か、十数秒の間。藍染と一護はじっとお互いを凝視していたが、ふいに藍染可笑しげな笑みを零した為沈黙が破られる。
「君は面白い子だね」
くっくと笑みを押し殺しながらくぐもった声で言う藍染に、一護はあからさまに不愉快といった顔つきになる。
「・・・用がないようなのでお帰り頂きたいのですが」
「用はあるよ」
一護の低い刺々しさを隠すこともない台詞に対し、藍染は悠然とした何処か含みのある笑みを口の端にのぼらせた。艶を孕んだ声音はひどく楽しそうだった。
「私は君に会いに来たんだよ」



・・・藍氏、相当嫌がられてるっぽいですな・・・。

こんなことやるより鰤の日記連載打つべきだと、私自身が一番よくわかってます・・・。

続HW恋物語3

「こんにちわ」
藍染らが中へ入ると、眼鏡をかけきちんと髪を結わえた聡明そうな女性職員がえらく事務的な口調で声を掛けて来た。
「こんちわ~~」
それに対し市丸が胡散臭い笑みを貼り付けて手をひらひら振りながら愛想よく返すが、『職業安定課・伊勢』と記されたネームプレートをつけた女性は微塵も表情を緩ませることなく、「本日はいかがされましたか?」とごくごく冷静に話を続ける。
「彼が先日会社を退職したので、今日は彼の職探しを手伝おうかと思いまして」
女性のどことなく胡乱な眼差しを受け、咄嗟に藍染は横に立つウルキオラの肩に手を置いて穏やかな口調で言った。ここで下手なことを口にしようものなら、この生真面目そうな女性職員に『求職者以外はお帰り下さい』と素気無く門前払いされそうだったからだ。
「確かに相当顔色が悪いようですね」
すると女性はまるで患者を診る医者のような視線をウルキオラに向けると、やや顔を曇らせながら呟いた。
「ここに来るより、病院へ行かれた方がいいんじゃないですか?」
「・・・俺は元々この顔色だ」
神妙な顔で告げる女性にウルキオラは無表情のまま淡々と言い返した。
「わかりました。では受付しますので、離職票と身分証拝見させていただいてよろしいですか?」
「・・・離職票・・・・?」
「会社から貰われてないですか?」
怪訝に問い返すウルキオラに女性が不審も露わな声で更に問い返す。するとウルキオラがやや困惑したような表情を浮かべて隣に立つ藍染を窺う。
「社長・・・」
「社長?」
ぼそりと躊躇いがちに呟かれたウルキオラの台詞を耳聡く拾った女性が眉根に皺を寄せて低く繰り返す。そして不審と疑念と嫌疑に満ちた眼差しを藍染へと向ける。
「貴方、離職票も出していないのに彼をここに連れてきたんですか?ここでどんな手続きがあるか普通ならご存知ですよね?彼、本当は退職していないんじゃないですか?」
「退職しとるよ!なあウルキオラ?」
「俺は今無職だ」
矢継ぎ早に刺々しく藍染に質問を浴びせかける女性に向かって慌てたように市丸がフォローを入れれば、やはり無表情のウルキオラが強く言い切る。
「・・・社長さん、虚偽の申告は犯罪ですよ」
きっと鋭い目で見据えてくる女性に藍染も不快そうに眉を顰めた。
「この私が犯罪者だと、そう言いたいのかね・・・?」
「・・・・・・なしてばれてんのやろ」
不穏な空気を纏う藍染の横でこっそりと市丸が感嘆を籠めて小さく呟きを洩らす。睨み合う眼鏡男と眼鏡女との間にバチバチと火花が散ろうとした、その時。
「なにやってんだ?七緒さん」
ややぶっきらぼうな声が女性の背後から聞こえてきた。
「黒崎君」
七緒と呼ばれた女性が身体を半身にして後を振り返れば、そこから鮮やかな橙色が覗いて見えた。



・・・七緒さんの眼鏡には不審者レーダーが装備されてます。

ぶろぐの記事は色んな機能がついてるので楽しいですね。

続HW恋物語2

「なんやえらい暑いなぁ。冷房効いてへんのとちゃうか?ほんま市民に優しゅうない交通機関やわ。せやからタクシーで行こて言うたのに」
「喧しいぞ、ギン。私はあの車内のにおいが駄目なんだ。知っているだろう」
「案外繊細ですからね」
駅前から市役所行きのバスに乗った藍染創業の社長・副社長・経理はバスの一番後ろの席を陣取り一路ハローワークを目指していた。見目はいいものの、どことなく胡散臭い男と狐っぽい男とひどく顔色の悪い男の3人連れは無駄に車内で目立っていた。
「社長、次の停留所です」
「ギン、ブザーを押せ」
「なしてボク?」
「お前が端の席に座っているからだ」
「副社長、早くしないと行き過ぎてしまいます」
「ウルキオラ、バス代はいくらだ?」
「1人260円ですから、3人で780円です」
「ギン、小銭は持ってるな。早く出せ」
「せやからなしてボク?ボクの小銭は自販機でジュース買う為のもんやのに」
「お前は甘いものを摂り過ぎだ。糖尿になるぞ」
「停留所が見えました」
駅から微妙に空調の効いていないバスに乗ること20分弱、3人は目的地までたどり着いた。目指すハローワークは停留所から5分ほど通りを真っ直ぐに歩いたところにある。
「あれ?」
暑い暑いと相変わらず喚きながら歩く市丸がふと何かに気付いたような顔になる。
「そおいや、藍染社長。グリムジョーは今は働いてんのやろ?ハローワーク行ってもおらんやん」
全くもって今更な質問に藍染が呆れ果てた眼差しで副社長を見遣る。
「お前はあの記事の何処を読んでいたんだ。グリムジョーはいつも仕事終わりにハローワーク勤務の恋人を迎えに行くという証言が載っていただろう。ハローワークで待っていれば嫌でも会うさ」
「いい年した男のする行動じゃないですが」
藍染の隣のウルキオラが醒めきった口調と声音でぼそりと呟く。
「けどあのグリムジョーに恋人やなんて未だに信じれんわ。しかも男同士やろ。更に相手はお堅い公務員。ほんま世の中は不思議なことばっかりや」
「あの堅物のグリムジョーが惚れ込んだという人物に是非とも会いたいものだ」
薄っすらと酷薄な笑みをのせる藍染を今度は市丸が呆れた表情で見遣る。
「やっぱそっちが目的やったんですね。グリムジョーにお祝いやなんてオカシイ思うたわ」
「気付くのが遅いです、副社長」
「一言多いで、ウルキオラ。・・・やけど会うてどないしはるんです?男なんかに会うてもなんもオモロイことないですやん」
「充分に面白いじゃないか」
つまらなそうに言う市丸に藍染が心外だとでも言いたげな表情で返す。そうやって無駄な会話をしながら歩いているとウルキオラがふいに足を止めた。
「此処ですね」
藍染らの目の前には木々に囲まれたひっそりとした薄茶色の建物。少しばかり汚れた標識には『空座市公共職業安定所』と書かれてある。
「さて・・・」
其れを見た藍染はひどく楽しげな笑みを浮かべて、建物の中へ足取り軽く入っていった。



・・・藍氏はタクシーのあのにおいが駄目なんだよ。



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槇原氏とカープを日々崇め奉る腐女子。ユノに並ならぬ愛を注ぐ。細々と妄想を吐き出しながら自堕落に生きる駄目社会人。
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